Wednesday, February 14, 2018

11日目:帰国、プログラム終了

プログラム11日目は、すべての行程を終え、日本へ向けてオークランド国際空港から成田空港へ全員無事帰国しました。
 すべての行程を無事に終えられたこと、また、当初予定していた以上のプログラム内容を経験させてくださった、ベンサムさん、ケイトさん、テ・ウルロアさん、各地の受け入れ先のみなさまに多大なる感謝を。

そして何より私たちのプログラムの実現を支えてくださったみなさま一人一人に心から感謝を申し上げます。

 何よりのお返しは次へつなげることだと理解しています。
帰国後は学んだ内容を整理、話し合いを重ねて、報告会の準備を行います。
またみなさまに学びの成果を共有できる日を楽しみにしています。

この学びを未来へ伝えていけますように。
絆が深まり、次の世代を率いるリーダーが一人でも多く育ちますように。
少しずつでも確かに理解を深め合えますように。
一人でも多くの人と一緒に歩めますように。

みなさまのご支援を今後ともどうぞよろしくおねがいします。

ソンノ イヤイライケレ


Monday, February 12, 2018

10日目:ルアケレ・ホンドさん家族に再会、タフィーウアウ校訪問、プナレオ見学

プログラム最終日となる10日目は、ムルパラの部族学校と、プナレオ(コーハンガ・レオとは違う幼児教育施設)を訪問しました。嬉しいサプライズで、朝食に2013年にテ・アタアランギ教授法を教わったルアケレ・ホンドさん家族が私たちに会いに来てくださいました。



 ロトルアのワイテティ・マラエにお別れを告げてムルパラまで車を走らせること1時間、テ・クラ・モトゥハケ・オ・タフィーウアウ校に到着しました。ここは、ンガー・マナワ部族により部族のことを教える独立したカリキュラムを持つ小中高一貫部族学校です。

苫小牧うぽぽの佐々木義春さんとも交流があり、2016年の夏には修学旅行で日本を訪れ、北海道のアイヌ民族を訪問交流しています。その後も二風谷から交換留学としてこの部族学校へ生徒が半年間留学もしていた絆の深い学校です。

 いつものポーフィリ(歓迎の儀式)ではマオリ語のワイアタ(歌)を歌ってくれるみなさんですが、今回は最後にアイヌ語で「サパ、エトゥ、シキ、パロ・・・」と身振りつきで歌を披露してくれました。

ペム・バード校長先生の案内で校内を見学し、小学校クラスでマオリ語で授業の様子を見学しました。今後は幼稚園にあたるプナレオも設立予定とのことでしたし、卒業後はすべての学生がマオリ大学やその他のマオリの価値観で学べる学校へと進学できるようケアされているとのことでした。

卒業生は先生となって教えるためにこの学校へ戻って来ることも教えていただきました。赤ちゃんから大人までのすべてがマオリの、しかもンガー・マナワ部族の価値観に貫かれていることを学びました。

プログラム最後の訪問は、テ・パーカーリトというプナレオです。
ここは前回2013年時の訪問で学んだテ・コーハンガ・レオのように、コーハンガ・レオ財団が予算を政府から一括して受け取り、それを定められたルールの下に分配するという組織的な運営システムとは異なり、政府から直接支援を受けて独自のルールにて運営管理されるマオリ語イマージョン保育園です。

このプナレオも、代表のティファニー・テ・モニさんが運営管理し、彼女の家族、親族で経営されています。子供達も彼女の親戚や近所の子供達がほとんどだそうです。また、ここは彼女達の部族、テ・アラワ部族の価値観に基づく幼児教育がされています。

このプナレオが実践している先祖の教えを継ぎ、自然から学び、家族で運営するというスタイルは今回旅を通して私たちが学んできたマオリの考え方の結晶そものもでした。

Sunday, February 11, 2018

9日目:テ・プイア博物館、カパハカ見学、脱植民地化WS

プログラム9日目は、テ・ウルロアさんの案内でテ・プイア博物館を見学し、午後はワイテティ・マラエのみなさんのカパハカ見学、夜は脱植民地化のワークショップと内容の濃いう1日を過ごしました。


テ・ウルロアさんによる贅沢な博物館ガイドツアーは、2013年も訪れたテ・プイア博物館です。前回も観たロトフィオ・マラエ内でのコンサートを楽しみました。ここでは博物館を訪れる観光客向けにステージがあしらわれたマラエでマオリの伝統的な歴史、価値観をホンギ、ワイアタやハカ、ポイなどを通して参加して楽しみながら学ぶことができます。

その後は、隣にあるMACIマオリ美術工芸学校を見学し、骨・翡翠・木・銅の彫刻、織物のタオンガ(宝物)が展示されているのを見ながら、そこで彫刻や織物を学ぶ学生たちの様子を見学しました。

さらにその後は博物館内のマオリの西洋人流入前の暮らしの様子や、ロトルアで二番目に有名な間欠泉の湧き出るエリアをウルロアさんにガイドしていただきました。


午後は、幸運にもワイテティ・マラエで行われていたカパハカの練習の様子を見学することができました。二年に一度の全国大会テ・マタティニ祭に出場するチームを決定するための地方大会で勝ち進むために、今まさに練習が行われているとのことでした。

圧巻の男性と女性によるハカ、ワイアタにただただ圧倒され感動を覚えました。このような練習が各地域で毎年のように行われいるので、家族参加の子どもたちなどは、その頃からこういうことをずっと身近に感じながら育つことができるのかと感心しました。

決められた時間内で入場から退場までの間に、ハカ、伝統的なワイアタ、現代的なワイアタ、ポイをこなすこの競技は、伝統を継承する意味でもとても大きな機会となっているのでしょう。

夜は昨夜の私たちの話し合いを踏まえて、ウルロアさんがタカワイ・マーフィーさんを呼んでくださり、彼が人生を通じてやっているという脱植民地化のワークショップについて教えていただきました。参加者からの質問が相次ぎ、タカワイさんは実際にどのようなワークショップを行っているのか私たちにやってみせてくれました。非常に大きな学びとなりました。

Saturday, February 10, 2018

8日目:テ・ウルロアさんと再会、ワイテティ・マラエポーフィリ

プログラム8日目は、ロトルアのワイテティ・マラエを訪問し、私たちのプログラム発足のきっかけを与えてくださった元マオリ開発省大臣テ・ウルロア・フラヴェルさん夫妻と再会を果たしました。

ワイカトータイヌイ部族大学院の創設者ロバートさんのお墓で感謝とお別れを告げ、部族大学院を出発した私たちは、滞在をお世話してくださったメレアイナ・ヘランギさんのお家で彼女の家族とお別れをした後、ベンサムさんと一緒にロトルアへ向けて車を走らせました。

 途中ロトルアの街中を散策しながら、テ・ウルロアさんの待つワイテティ・マラエを訪問する時間を待ちました。

ワイテティ・マラエでポーフィリに参加し、ンガーララヌイという名前の先祖のマラエの中で家族として迎え入れていただきました。

トゥクトゥク(ゴザ)やマオリ文様のペイント、先祖の木彫りが一面中にほどこされた美しいマラエの中で、私たちのプログラムを始める大きな機会をくださったテ・ウルロアさんと久しぶりの再会を喜び、プログラムの目標についていままで私たちが学んできたことなどを共有しました。

ベンサムさんは次の日9時間かけてウェリントンまで運転するのに、夜遅くまで話し合いに同席して、最後まで私たちの旅をサポートしてくださいました。

Friday, February 9, 2018

7日目:新学長就任ポーフィリ、ラウパトゥ祝典ディナー

プログラム7日目は、ワイカトータイヌイ部族大学院の新学長の就任ポーフィリとラウパトゥ祝典ディナーに参加しました。


とても幸運なことに、新学長就任ポーフィリに私たち一行も参加させていただくことができました。ホスト側としてのポーフィリ参加の経験も初めてでした。学長となるDr.シェリル・ステファンさんの地域のコミュニティ家族がゲストとしてやってきて、ポーフィリの中でシェリルさんがゲスト側からホスト側へと引きわたされました。

さらに幸運なことに、シェリルさんの新しいオフィスでのカラキアにシェリルさんご本人から招かれて、プログラム参加者から島田あけみ、沖津翼が参加しました。オフィスでのマトゥア(年長者)のカラキアを経てようやくオフィスに入ることができ、新しい学長となることができます。そこに立ち会え、とても特別な経験をさせていただきました。

夜にはマオリ王も招待されているラウパトゥ(収奪)祝典ディナーに招かれ参加しました。この祝典は、ワイカトータイヌイ部族が経験した土地の収奪の歴史と、それを乗り越え得た和解と、その後の部族大学院の設立を祝うための特別なディナーです。各地から年長者たちが集い、様々な歴史に関わり貢献してきた年長者や部族の人々が参加しました。そこに招かれたこともとても特別なことでした。

部族大学院で9年間理事を務めたベンサムさんもコーレロ(スピーチ)を行いました。また、ベンサムさんの貢献と送り出しの記念としてタイアハ(槍)の贈呈も行われました。ベンサムさんにとって最後となるワイカトータイヌイ部族大学院での機会に、私たちも同席できたのはとても光栄な経験でした。

Thursday, February 8, 2018

6日目後半:Te Awa見学、ベンサムさんWS

プログラム6日目後半は、ワイカトータイヌイ部族によって運営されているテ・アワ・ショッピングモールの見学に行きました。

ハミルトンにあるこのモールには、海や川の守り神であるタニファの歯がモチーフとしてあしらわれており、ショッピングモールの名前「テ・アワ」は川(The river)という意味のマオリ語です。ワイカトータイヌイ部族の重要な川であるワイカト川がしっかりと表されているところに、文化的アイデンティティの現れがあります。

また、建物の作りも、ワイカト川とワカ(カヌー)という二つのコンセプトから成っています。

また、午後はベンサムさんと一緒に昨日の振り返りと、帰ってからアイヌがイマージョン学校をつくっていくという構想について話し合いました。様々な障壁や、難しく感じられる点とともに、マオリの人たちが同じような状況でひたすらに行動を起こして小規模から親たちが動き出したことが30年経ってここまで立派な状況まで発展してきたことを思い起こしました。

ベンサムさんからのメッセージは、現時点でのマオリとアイヌの状況の違いに注目することに終始するのではなく、今のアイヌと同じ状況下にあった当時のマオリたちがどのように行動を起こしたのかを参考にしてほしいということです。

ベンサムさんは、バリアとなるのは頭の中の考え方であって、財源や政策ではないと強調されました。今まさに当時のマオリの親世代たちが直面していた挑戦に、このプログラムに参加した研修生のみなさんは直面していると言えます。一人一人の思いを深める話し合いの機会でした。

6日目前半:幼稚園〜高校一貫イマージョン校、戦地跡見学

プログラム6日目前半は、幼稚園〜高校一貫イマージョン校テ・ファレクラ・オ・ラーカウマンガと、その近くの戦地跡ランギリリ・パを訪問しました。


ラーカウマンガはベンサムさんの友人のポータカさんのご両親が一般の学校だった頃からバイリンガル校へと変え、さらにマオリ語イマージョン校へと改革した学校です。唯一幼稚園〜高校までのイマージョン校として、アオテアロア中の学校や国境を越えて世界中の教育施設のお手本となっています。

ここでのポーフィリは、ウェロと呼ばれるマオリの戦士が伝統的な衣装でタイアハ(槍)を持って訪問者に目的を問う挑戦的な方法で行われました。学校の13年生にあたる男子生徒12人が伝統的な衣装と武器を手にハカを舞いながら私たちをマラエへと導いてくれました。マラエの中では先生方と女子学生のみんなが力強いハカの歌声で迎えてくれました。

たくさんのワイアタ(歌)とウポポが響くポーフィリでした。アイヌについての説明や、ムックリ演奏もアイヌ参加者によって行われて、ムックリを生徒たちに回して参加者が鳴らし方を教えて周り、にぎわいました。生徒たちや先生からたくさんの質問が寄せられました。

その後は生徒たちが学校内をツアーガイドしてくれて、実際にクラスが行われている教室や図書館などを見せていただきました。学校を訪ねたいというリクエストが絶えない中で、私たちが迎え入れてもらえたことはとても幸運なことでした。第二回研修に参加したアイヌの皆さんにこの学校を見てアイディアを持ち帰ってほしい、未来へとつなげてほしいというベンサムさんと、ラーカウマンガ校の先生方の気持ちを感じました。


その後は2人の男子生徒がランギリリ・パというイギリス軍とマオリとの戦場跡をツアーガイドして、先祖である戦士たちが勇敢に戦って土地を守ろうとしたことや、マオリ王を守ったこと、この地で何が起こったのかの物語を話してくれました。17歳で先祖の歴史の物語をここまで語ることができる素晴らしさに刺激を受けました。また、そういうことがあった戦地跡をモニュメントやマオリの彫刻を作って思い起こし、次世代の子供たちへ伝えていこうとしていることも印象的でした。