Thursday, January 31, 2013

マオリ・フォーカス、マオリ犯罪者更生施設訪問

English translation coming soon:
 また、タウポーに滞在中、ホストのダニーさんのコーディネートで、マオリの伝統文化を通じた更生施設を訪問し、彼らと2時間以上話をさせて頂く機会を頂きました。

 刑務所を訪れるということに緊張を感じた参加者もいたようだったが、迫力のあるハカを踊り、「上を向いて歩こう」を歌い、そして参加者たちの話を目を輝かせながら聞いてくれた彼らに会ったことで、いつの間にかそんな気持ちは誰もが忘れていたようでした。

 アイヌ側からのコレロ(スピーチ)は、島田あけみさんによる「アイヌネノアンアイヌ」の歌とメッセージから始まりました。また、今まであまり前に出てくる機会の少なかった館下直子さんが、「アイヌ」であるからという理由で経験してきた差別や、母親や兄の影響で今はそこからアイヌとして生きていくことができるようになったことを話され、その言葉に込められた強い想いはマオリの人々へ届いていました。館下さんは、夜の振り返りミーティングの時間に、特別な想いがあって珍しく自分から手を挙げて話したことと、「話すことで自分が強くなるように思ったから、思ったことは言わないとダメだなと思った」と話して下さいました。

 昼食を頂いたあとに自然とアイヌ参加者と収容者との交流が始まりました。恵原詩乃さんは自己紹介の時にムックリを披露していたこともあり皆さんとても興味を抱いていたようで、早速ムックリ講座が始まっていました。また別のところでは関根真紀さんによるアイヌ文様のお話が展開され、参加者は真紀さんが描く模様にとても興味深げに見入っているようでした。他にもそれぞれがマオリの方達と色々な話をする有意義な時間を過ごしました。関根真紀さんは「刑務所に行くということでドキドキしていましたが、みなさんを見ているとすっとなくなった。英語が話せないのですが、今日は自分の気持ちが通じたような気がして話してて嬉しかった。」と話されていました。

 施設で行われているプログラムで制作された木彫や織物、トゥクトゥクというゴザなどの作品が部屋全体を埋め尽くす教室も案内して頂きました。冒頭のポーフィリで収容者が披露してくれたハカなどにも象徴されるように、マオリ文化が収容者の更生に精神的に重要な貢献をしていることを学べた訪問でした。関根健司さんは、収容者の方と話す中で、「一日に二時間マオリ語を学んでいると言っている人がいて、これが終わったら地方の先生になるんだ、と話していて、いい施設だなと思いました」と話されていました。

 この旅のコーディネートをして下さっているエディ・ウォーカーさんからは、「皆さんがマオリから一方的にもらうだけではなく、尊敬をお互いに与え合っていることを忘れないでください。自分が何者であるかを共有してくれてありがとう。そしてアイヌであるというその姿を見せてくれてありがとう。みなさんが今日してくれたのはまさにイランカラプテ、あなたの心にそっと触れさせてください、というものでした。」という言葉が贈られました。

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