Friday, February 8, 2013

テ・ワナンガ・オ・アオテアロア、アオテアロア大学について Te Wānanga o Aotearoa: About the programs the university has to offer

English translation in progress!
 2月8日は、アオテアロア大学マヌカウキャンパスについてのプレゼンテーションと参加者による質問を通じて、マオリの大学について理解を深める時間がもたれました。

 プレゼンテーションは、地域プロジェクトマネージャーのグレン・マカイさん。グレンさんは、アオテアロア大学が、1989年の教育法(Education Act of 1989)によって定められた全国教育指針(National Education Guidelines)を基礎としていることを強調されました。また、アオテアロア大学が三つあるうちの一つであり、大きな目標として「家族、つまりコミュニティを変えること(Whānau transformation)」があることを説明されました。

 また、アオテアロア大学が近年力を入れている点、学生の将来の目標を丁寧にしながら一人一人に寄り添って大学での学びをコーディネートしていることを教えて頂きました。それは、この大学の学生の48%が40才以上であること、彼らが一度パケハ(白人)の教育カリキュラムシステムからはじき出されてきた人たちであること、すなわちアオテアロア大学への入学が彼らにとってはファーストチャンスであり二度目ではないという背景を説明して下さいました。しかし、オークランド内で25000人もの人が学生でもなく仕事ももっていない状態にあることから、政府がこの現状を改善すべく若い人を積極的に入学させるようにアオテアロア大学にも要求をして来ているため、大学側のマオリへの思いと、政府の方針とが交錯しているようでした。

 他にもプログラムの内容や、様々な学生へのサービスが取り組まれていること、何よりマオリにより運営される大学だが、世界中の人に開かれていることが示されました。
On February 8th, we returned to Te Wānanga o Aotearoa and listened to a presentation about the campus. We had the opportunity to ask many questions about the university and we thus able to get a deeper understanding of its goals and formation.

The Regional Project Manager, Glenn Mckay emphasized how how Te Wānanga o Aotearoa was established following the National Education Guidelines set out by the Education Act of 1989. The most important of its three goals, he explained was Whānau transformation, or the transformation of the family (i.e. greater community).

In recent years Te Wānanga o Aotearoa has shifted its focus to nurturing the futures of its students by forming close relationships with each and every student to coordinate their learning path. He shared how 48% of the university student population is over 40 years of age, that the Pakeha (people of European decent) education system had failed many students, and that for many of the students, while it is their second time to give education a shot, it was more like a first chance for many of them. However, at present around 25,000 people that are out of school Auckland are without jobs.  Given this situation, the government is encouraging universities to improve this situation and has asked the university to proactively enroll students. While there are a variety of programs and services for the students, and it is a Maori run university, its doors are open to everyone in the world.

 質疑応答では、入学条件や卒業後の進路、入学金や奨学金システム、家族を持つ学生への対応や、マオリ語の習得についてなど様々な質問が活発に参加者から出されました。

 グレンさんなど、大学スタッフからの応答も非常に興味深いものでした。入学条件は、学位を授与する以外のディプロマや短大などのプログラムは入学条件がないことや、入学希望者の今までの過去の聞き取りを行いその人が本当にやりたいことを丁寧に判断するユニークなプログラムを持っているとのことでした。また、最近になって将来へのつながりを重視する方針に変更してからの就職状況なども紹介されました。奨学金などお金の面に関する応答は、生活費として政府の奨学金プログラムやアオテアロア大学独自の奨学金などが説明されましたが、最もユニークな点はマオリの大学の学費が無料であるという点でした。言語習得は、コハンガ・レオ(ことばの巣)という幼稚園に言った子はすぐにマオリ語をマスターし、成人になってから大学で学ぶ人は3〜4年かかる、とのことでした。しかしやはりユニークだったのは、マラエという環境など言語にどっぷりと浸かる環境があるということであり、そのような環境を提供できるマオリの大学の現状に参加者も関心を抱いていた様子でした。


 アイヌ側からも木幡弘文さんによるアイヌの歴史と政治的状況に関するプレゼンテーションが行われ、大学側のスタッフは真剣にうなずきながら聞いていました。そして、マオリの歴史ととても似ていること、だからこそ希望があること、マオリもマオリ文化とイギリス文化の二つを持っていて、過去の不正義のバランスをとるためにマオリ文化を求めていること、外部から見るとマオリはとてもすごいことをしたように見えるかもしれないが、自分達の言語はまだまだ脆弱な状況であること、今でも毎日が闘いであること、今日のような交流が将来に続く先住民族同士の交流の始まりでありマオリとアイヌは大きな家族であることなど非常に多くの暖かく強く、考えさせられるメッセージを頂きました。

 このような大学があるが、一方では未だにマオリであっていい場所とそうでない場所があること、マオリであることすら難しい場合もある、という言葉が印象的でした。最後に、スタッフからマオリの翡翠に関することわざ、「静けさが広がりますように、ポーナム(翡翠)のように海が輝き続けますように、太陽の夏の輝きがみなさんの将来を照らし続けますように」という言葉が贈られた。













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