20日、サッポロピリカコタンをあとにした私たちは、札幌に向かい、本プログラムの実行委員会と札幌などの若手アイヌメンバーと話し合いなどの交流を行いました。この記事では、実行委員会との交流の学びや成果をお伝えします。若手アイヌとの交流内容については次の記事をご覧ください。
マオリゲストのお二人と実行委員会との話し合いでは、島田あけみ代表を始めとして、萱野志朗、小泉雅弘、佐々木慶子、結城幸司副代表が参加しました。
ベンサム・オーヒアさんからは、自分たちができることを最大限したい、そのために何が必要なのか教えてほしいという言葉を頂きました。その上で、アイヌに、アイヌ社会にとっての戦略は何か、ということを考えてほしいと課題を示されました。具体的に、「言語」、「文化」、「知識」の3つのキーワードにおける戦略をそれぞれ考えることが必要です、と話されました。
ケイト・チェリントンさんからは、2009年に島田代表に会ってから長い間深く関わりを持ってきたことと、これからはどのように将来に向けたビジョンをアイヌ民族全体でシェアしていけるかどうかが大切であることが話されました。
ケイトさんから、アイヌが持っている価値を評価して世界へ提供していけるのだということを忘れないでほしい、活動の持続のためには、ビジョンを共有することが必要だと思います、と伝えられました。この点は、ベンサムさん、ケイトさんから幾度にもわたり伝えられた大きなメッセージでした。
また、ビジョンを共有して一つとなることの難しさに触れて、マオリも言語復興などの団結の歴史には40年かかったことを忘れないでほしいこと、互いに違うところがたくさんある状況の中で共通点を探してまとまってきたことを強調されました。
ベンサムさんは、先住民族性というのは共有することだと思っている、マオリが変わり一つにまとまることができたのは、自分たちで自分たちの運命を変える、ということを決めることができたからだと話されました。
また、葛藤や困難に直面する状況への希望と励ましのメッセージとして、ベンサムさんから、「始めることがすべてです。上の世代の人々は、考えすぎることをやめて信じ始めました。私は上の世代のしたことを共有する責任があるから今こうして話しています。種を植える心の準備をすべきです。私たちは、芽吹き、育ち、大きく育った木陰に座ることはできないかもしれません。それを承知で種まきをしていくことが必要です。」という言葉が贈られました。また、未来への種まきとして行動を起こすことについて、「やるべき」と考えている段階から、「やるんだ!」という信念を、確信を持つ段階に達する必要があると話されました。
種をまき始める人たち、世代の苦悩や葛藤、そこで失ってしまいがちな希望と覚悟、連帯の大切さをマオリゲストのお二人から学びました。
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