20日は、実行委員会との話し合いののち、最後に若手アイヌとの交流を行いました。
当日は、札幌のみならず、阿寒、首都圏から6名の若手アイヌが参加し、マオリゲストのお二人はみなさんと会えたことを非常に喜んでいました。
若手アイヌ、マオリゲスト双方の自己紹介から始まり、ベンサムさんからは「明日のリーダーとなる若い人に会えることをとても嬉しく思う」、ケイトさんからは「一緒にアイヌとして生きることの意味を考えていきたい」と交流への期待が寄せられました。
話し合いは、ケイトさんの一つの質問から深く豊かに広がりました−−−「アイヌコミュニティの一員として、何に最も価値を置いていますか?」
若手アイヌのみなさんからは、自分の先祖の歴史を学びたい、言語を学んでいきたい、という声が多くあがりました。
各参加者からもマオリゲストのお二人に質問が寄せられ、ベンサムさんとケイトさんから、マオリの歴史や自分たちの先祖がどのように復興へと進んでいったのかなどと共に若手のみなさんへたくさんのメッセージが贈られました。
特に、マオリゲストのお二人は、先人たちが復興は言語なしには成り立たないと考えてコーハンガ・レオ(言語の巣)を作ったことを強調されました。言語と文化を強化することでマオリとして強く生きていけると信じたといいます。
また、ケイトさんは、先住民族の言語を復興したり学んだりするときに先住民族の人々が陥りやすい間違いが二つあると指摘しました。
一つは、例えばアイヌ語を特化して学んで育ったら日本でどうやって生きていくんだ、という人々がいますが、ケイトさんは、アイヌ語のみの環境から一歩外に出れば日本語はいつでもあるので、バイリンガルとなることができると主張されました。
二つ目は、アイヌ語を学んでも仕事にならない、と心配する人々もいますが、アオテアロアでは、観光産業や政治、言語の指導者や教育者としての様々なマオリ語の需要があることを指摘されました。
ケイトさんからは、「Kia
kaha(キア・カハ)」(強くあってください)、そしてそのまま進んでください、と励ましのメッセージを頂きました。また、ベンサムさんは、マオリ語ができるということは、方位磁石を持っているのと同じだといいます。自分を導いてくれるその方位磁石としての言語をアイヌ民族も持てることを強く示されました。
後半では、将来の目標などについての質問がだされ、グループで話し合い、マオリゲストのお二人に発表しました。将来に向けて若手アイヌのみなさんとマオリゲストのお二人から様々なお話を聞き、メッセージを贈られ、お互いの考えを共有できたことは大きな財産だと思います。ベンサムさん・ケイトさんからも、素晴らしい暖かいサポートと、若手アイヌへの期待が寄せられました。
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